- ないた烏がもう笑う
- ないたからすがもうわらう【ないた烏がもう笑う】⇒ 今(イマ)ないた烏(カラス)がもう笑う鳴かず飛ばずこれといったおこないや活躍もしないでいることのたとえ。→ 三年飛ばず鳴かず鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥(ホトトギス)機が熟するまで辛抱強く待っていよう, という意。 幕末の随筆「甲子(カツシ)夜話」に徳川家康の言葉として見える。 織田信長が「鳴かぬなら殺してしまえ時鳥」, 豊臣秀吉が「鳴かぬなら鳴かしてみしょう時鳥」といったのを受けた句で, 信長の強引さ, 秀吉の積極性に対して, 家康の忍耐強さを表現した句。鳴く蝉(セミ)よりも鳴かぬ蛍(ホタル)が身を焦(コ)がすむやみに口に出して言う者よりも, 言わない者のほうが, かえって心の思いは切実である。鳴く猫(ネコ)は鼠(ネズミ)を捕(ト)らぬよくしゃべる者はかえって実行をしないことのたとえ。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.